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日本初「同性パートナーシップ」条例が渋谷区議会で2015年3月31日成立

<東京・渋谷区>パートナーシップ条例成立 同性カップル、権利前進
パートナーシップ条例成立 日本初 
    
 東京都渋谷区議会は31日、同性カップルを「結婚に相当する関係」(パートナーシップ)と認め、区が証明書を発行する条例案を賛成多数で可決した。公的に同性カップルを認める制度は日本で初めて。条例はきょう4月1日から施行される。

 採決は議長を除く31人で行われ、最大会派の自民7人と無所属の計10人が反対。民主、公明、共産会派など21人が賛成した。

 条例は多様性性的少数者の人権の尊重を掲げ、戸籍上の性別が同一の区在住の20歳以上のカップルについて、互いを後見人とする公正証書を作成していることなどを条件に証明書を出すとしている。区民や事業者にも配慮を求め、賃貸住宅への入居や病院での緊急時の面会などの場面で家族として扱われることなどが想定されている。

 また、区はこの条例に関して区民らから苦情の申し立てがあった場合には調査や、苦情の相手方に対する指導などを行う。職場での不当な差別や、証明書を持参しているのに面会を断るなど「条例の趣旨に著しく反した行為」が続き、是正の勧告に従わない場合は名前の公表もできるとしている。

 条例案が可決された瞬間、区議会の傍聴席で見守っていた性的少数者の問題に取り組む当事者らは、手を握り合うなどして喜びをかみしめた。

 同区在住の東小雪さん(30)は「うれしくて胸が熱くなった。今後は同性婚の議論も広がってほしい」と声を弾ませ、パートナーの増原裕子さん(37)は「日本の各地で、それぞれの住む自治体に期待している仲間がいる」と話した。

また、性同一性障害で男性として社会生活を送る杉山文野(ふみの)さん(33)は「同性愛者に限らず、戸籍を変更していないまま暮らしている性同一性障害の人にとってもパートナーとの関係を保証するために意義がある」と語った。

 記者会見した桑原敏武区長は「国政においても(議論となり)、人権上の課題として一石を投じる歴史的な一ページとなった。少数者を支援する仕組みとして有効に活用し、個性の発揮できる社会にしたい」と強調した。

 ◇他自治体へ波及も

 渋谷区の同性パートナーシップ条例の成立は、差別や偏見に苦しんできた同性カップルの存在を国内で初めて公的に認めた点に大きな価値がある。性的少数者の職場での問題解決に取り組むNPO「虹色ダイバーシティ」(大阪市)の村木真紀代表は「(渋谷区が発行する)証明書の実質的な効力以上に、社会から承認されたという事実にとても勇気づけられる」と話す。

 他自治体への波及効果も小さくない。東京の世田谷区や横浜市兵庫県宝塚市では首長がパートナーシップ条例など性的少数者への施策の検討を表明。当事者自らが施策を求める動きも出始め、さらに広がるとみられる。

 ただ、両性の合意による婚姻を定めた憲法24条などを根拠に反対する意見もあり、欧米同様、こうした流れが同性同士による法律上の結婚につながるかは未知数だ。海外の同性パートナーシップ制度に詳しい京都産業大法科大学院の渡辺泰彦教授(民法)は「日本ではこの程度の内容であっても保守派を中心に反対論が根強く、大きな議論が必要だ」と指摘する。一方で「条例に大きな反応があったのは日本にも同性婚などについて話し合える素地があるということ。どんな議論が始まるか注目したい」と話す。

 パートナーシップ証明書の存在自体が自らのセクシュアリティーを公表することになるなど画期的な条例にも課題はある。同性愛者の人権が異性愛者と変わりなく認められる日まで、行政側はまず制度の理念や性的少数者についての正しい知識を周知することが求められる。

■ 東京・渋谷区で提出されていた「同性パートナーシップ条例」が、3月31日の区議会で、賛成21人反対10人の賛成多数で可決されました。同性パートナーシップ条例は、同性カップルを「結婚に相当する関係」と認める証明書を発行するもの。「賃貸の契約ができない」「パートナーが緊急入院した際に面会ができない」といったケースの解決策となると見られています。この条例に関する一連のニュースは大きな話題となり、賛成派や反対派からさまざまな意見が寄せられていました。

「同性パートナーシップ証明」の問題点も指摘されています。たとえば申請には公正証書取得手続き代がかかることや、条例案「条例に従わない企業・団体などの情報を公表する」から「公表しない」と付帯決議されたことなど。また「同性パートナーシップ証明」は婚姻とは異なり、相続や扶養については効力がありません。ですが、今回の可決が日本の同性婚や同性カップルのパートナー法制定への第一歩だと期待されています。

■同性カップルに「結婚に相当する関係」を認める証明書の発行を盛り込んだ東京都渋谷区の条例案が31日、区議会本会議で賛成多数で可決、成立した。同様の条例は全国初となり、4月1日施行、証明書は平成27年度中の発行を目指す。

 同区議会は32人(欠員2人)で構成。採決では議長を除き自民7人と無所属3人が反対し、公明、共産など21人が賛成した。また、桑原敏武区長提案の条例には、条例の趣旨に反する行為があった場合、事業者名を公表するという規定を避けることなどを求める付帯決議がつけられた。

 同性カップルは、アパートの入居や病院での面会の際に家族ではないと断られることが多い。証明書に法的拘束力はないが、条例には「区民および事業者はパートナーシップ証明に最大限配慮しなければならない」と明記している。

 証明書を取得したカップルは、家族向け区営住宅への申し込みができるようになる。また、事業者側の判断によるが、会社での家族手当の支給なども可能になるため、区は区内の事業者に「夫婦」と同等に扱うよう求めるとしている。

 ただ、担当課は「婚姻とは全くの別制度」と説明するが、「延長線上に同性婚がある」との指摘もあり、区にはこれまで1千通を超える反対意見がFAXなどで寄せられてきた

「世界の勇気ある女性10人」を受賞した小酒部さやかさん「マタハラ」の啓蒙や情報発信に取り組む

■「流産した君には配慮する必要がない」と人事部に言われたーー「マタハラ」最新事情


国務省から3月上旬、日本人として初めて、女性の地位向上への貢献をたたえる賞「世界の勇気ある女性10人」を贈られた小酒部さやかさん(37)。

2014年に設立された「マタハラNet(マタニティハラスメント対策ネットワーク)」の代表を務め、「マタハラ」の啓蒙や情報発信に取り組んでいる。

その小酒部さんが3月30日、東京・霞ヶ関の厚労省記者クラブで「2015年マタハラ白書」発表の記者会見をおこなった。会見には、白書を監修したダイバーシティコンサルタントの渥美由喜さんも同席した。

 小酒部さんは「マタハラは伝染病という言い方もできます。同僚が被害にあったのをみて『私もやられるな』と他の社員も思えば、(辞職理由をマタハラと言わずに)黙って辞めていってしまいます」と話し、企業に対して真剣な取り組みを求めた。

●マタハラがはびこる「2大要因」とは?

マタハラNetは今年1月、マタハラの被害にあった女性186人にインターネットでアンケート調査をおこない、その結果を「2015年マタハラ白書」にまとめた。

 回答した女性は、正社員が約70%、非正規社員が約30%だった。

 小酒部さんは「マタハラは中小企業で起きているイメージが強いかと思いますが、実際は大企業にもあります。回答が寄せられた約19%は上場企業からの事例でした」と明かす。

 「私たちは、マタハラが日本社会ではびこる理由は2つある、と考えています。1つは『性別役割分業意識』、もう1つが『長時間労働』です。今回の調査結果では、有給休暇もとれずに休めなかったり、残業が当たり前の長時間労働状態の組織が、マタハラをうんでいることがはっきりとわかります」

 実際、アンケート調査では、回答者の約38%が「残業が当たり前で1日8時間以上の勤務が多い」と答え、約6%が「深夜に及ぶ残業多い働き方」と、長時間労働に言及する人が少なくなかった。

また、連日の残業はもちろん、「毎年1~2日くらいしか有給休暇を取得できない」、「1度も取得したことがない」人が4割を超えるような余裕のない労働環境では、他人に配慮する余裕がなくなっても不思議ではない。

●なぜ加害者に「女性の同僚」が多いのか

調査結果で注目すべきことの1つとして、加害者の属性に「女性」や「人事部」があることが浮き彫りになった点が指摘できる。

 「マタハラ加害者で一番多いのは『直属男性上司』(約30%)ですが、人事部も約13%います。そして『マタハラをする同僚』をみると、男性5.2%に対し、女性は10.3%にもなります。

 怪我や病気とは違って、『妊娠は自己責任』とみられがちで、日本の組織では『仕事に穴をあけるのがもっとも悪い』との見方があることも要因かと思います。

また、妊娠出産を経験した女性が、『私にはできたのに、なぜあなたはできないの?』と見てしまうこともあります。親御さんが近くに住んでいるなどのリソースによっても、女性が置かれた状況は本来違っているのですが」

この他にも、人事部から「流産した君には、配慮する必要がない」と言われたケースや、妊娠をきっかけに女性の同僚から無視されたり、大事なことを自分に伝えてもらえないなどの嫌がらせを受けたケースもあったという。

●「間違った配慮上司」にも問題あり

 では、職場ではどんな対応が求められているのか。企業のワークライフバランスダイバーシティに詳しいコンサルタントの渥美由喜さんは、一見「子育て女性に優しい」と見られがちな「過剰な配慮をする上司」にも問題があると指摘した。

 「マタハラ上司の対極にいるのが『間違った配慮上司』です。夫や子供のいる女性は、重要な仕事から外したほうがいい、家庭を持つ女性が夜遅くまで残業するのは気の毒だ、として、重要な仕事を任せないのです。女性に優しいように見えますが、実際には、昇進や昇格からほど遠い『マミートラック』にのせることでもある」

また、子育てとの両立やイクメンが求められる風潮の中で、逆に「ファミハラ(ファミリーハラスメント)」が増加していることに危惧をもっているそうだ。

 「マタハラだけではなく、イクメン予備軍や介護をする人へのハラスメント、つまり『ファミハラ』が増えていると思う。これは、(新しい価値観に)馴染めない人たちがいて、政府が求める方向性との軋轢(あつれき)が深まっているからではないか」

 

★小酒部さやか

経歴(プロフィール)

■小酒部さやか(おさかべ・さやか)

■市民団体「マタハラNet」創設者で代表

■「国際勇気ある女性賞」で日本人初の受賞


■小酒部さやかブログ
http://mataharanet.blogspot.jp/

■血液型:

■身長:

■生年月日:

■年齢37歳(2015年3月7日現在)

■自宅:神奈川県川崎市在住

■出身地:

桐蔭学園高校卒業

多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科卒業

2015年3月3日、小酒部さやかさんがアメリカの国務省が選ぶ「勇気ある女性賞」(International Women of CourageAward2015)に日本人で初めて受賞。

「世界の勇気ある女性賞」に、37歳の小酒部(おさかべ)さやかさんが日本人として初めて選ばれた。この賞は、アメリカ国務省が2007年から始めたもので、人権擁護や女性の地位向上などに貢献した女性を表彰している。

小酒部さんは妊娠中に上司から事実上の退職を迫られて流産した苦い経験を受けて、2014年7月に「マタハラNet」を設立。妊娠や出産をした女性への職場での嫌がらせ、いわゆる「マタニティー・ハラスメント」に悩む女性の支援活動に取り組んでいる。

3月6日にアメリカの首都ワシントンで開催された授賞式で、ヒギンボトム国務副長官は「女性が家族のためにキャリアを諦めなくてすむ環境を整えるよう訴え、女性が日本の経済活動に全面的に参画できるよう闘っている」と、小酒部さんを讃えた。

小酒部さんは、「この賞は私一人が受けたのではない。マタハラと闘う日本の女性たち皆に対する米国政府からの応援メッセージだと思う。日本の基準は世界の基準ではないことを真摯(しんし)に受け止め、働き方を見直すきっかけになってほしい」と話した。