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空き家820万戸 国は空き家対策特別措置法を基に対応

空き家820万戸 対策特措法 26日に全面施行  荒廃、老朽化…管理促す
 
 全国で増え続ける空き家。総務省の調査では、二〇一三年は八百二十万戸で、空き家率は13・5%だった。今後も増加傾向が続くとみられており、野村総研(東京)は二三年には約千四百万戸に上ると試算する。

 

国は二十六日に全面施行される空き家対策特別措置法を基に対応する方針で、今後は倒壊の危険などがある空き家の所有者は、土地の固定資産税の優遇措置が受けられなくなるといった可能性も出てくる。 


 「維持するにもお金がかかるし、処分するにもお金と時間が必要で、身動きがとれない」。七年前に母が亡くなり、愛知県稲沢市の実家と敷地約二百平方メートルを相続した東京都の公務員女性は、こうため息をつく。


 女性が相続した家は、築四十年以上の木造二階建てで、部屋は七つ。母の他界後は誰も住んでいない。東京から戻っても、所有する名古屋市内のマンションに住むつもりで、将来も実家に戻る考えはない。


 しかし、水回りが古くリフォームしない限り、賃貸に出すのは難しい。更地にするには解体費用がかかる。さらに祖父母や両親の衣類、写真など思い出の品が大量に残っていて、整理するにも時間がかかる。


 固定資産税は、土地と建物合わせて年四万円。二カ月に一回の除草と、年一回の庭木の手入れの費用は計十五万円ほどだ。「ほっておくとすぐに草木がぼうぼうになり不用心。手入れだけは欠かせない。空き家はお金がかかる」とぼやく。


     
 空き家対策特措法は、市町村(東京都の特別区含む)の権限として、倒壊の恐れや衛生上の問題などがある「特定空き家」に当たるか判断し、改善を所有者に助言、勧告、命令することなどを規定する。二月に一部施行され、市町村が協議会を設立し、相談体制を整備するなど、対応の道筋が明示された。


 女性のように管理していれば、施行後も自治体の処分を受けることはない。しかし、必要な管理ができない場合は、さまざまな処分の対象となる可能性も。


 最初は「必要な改善を」との助言や指導だけだが、従わないと勧告が出される。そうなると、住宅用地に適用される固定資産税の優遇措置がなくなり、税額が六倍になる可能性がある。


 勧告にも応じず、市町村から出される改善の命令にも対応しないと、五十万円以下の過料を科せられる。最終的には行政代執行で市町村が強制的に建物を解体し、後で費用の支払いを求められることもありうる。


 特定空き家の基準は、国土交通省が二十六日をめどに示す予定だ。今のところ▽建物の傾きが二十分の一を超える▽屋根ふき材が脱落しそうな状態が、見て確認できる▽立ち木の枝などが道路などにはみ出し、歩行者の通行を妨げている▽多数の窓ガラスが割れたまま放置されている▽動物がすみつき、においや飛散する大量の毛で周辺住民の生活に支障がある-などが挙がっている。


●あき家 
総務省の住宅・土地統計調査での空き家は、一戸建てだけでなくアパートやマンションも含む。買い手や借り手が見つかっていない、売却用や賃貸用の物件も含まれている。2013年調査での内訳は、賃貸用が52・4%、売却用が3・8%、空き別荘などが5%。所有者不明で長期間、放置されているなどのその他が38・8%だった。